本文へスキップ

イオンの振る舞いION

イオンとは

我々人類は、古来、我々の生命を自然の脅威から守り、その生活を安全、快適、便利なものにするために様々な工夫をこらし、これらを技術として育ててきました。又、一方では、自然の仕組みの巧みさに驚き、それに学ぼうとして、その原理の解明に努め、それを科学として育ててきました。今や、技術はそれらの科学の成果を踏まえ急速な発達を遂げ、我々の生活の隅々に迄影響を与え、経済や政治の仕組みに迄影響を与えるようになってきました。一方では、技術の急速な発達と、その社会への適用は、我々の生命と自然環境に思わぬ負担を与えることにもなってきました。今や、生命と自然環境に負担を与えぬ、調和のとれた科学、技術の発展を計ることが緊急の課題となっています。この課題に応える方法としては様々な方法がありますが、物質、生命、環境の中でのイオンの挙動に注目することが、この課題に応えるための1つの視点となり得るもので、すなわち物質の化学的、物理的、生物学的性質の多くは、構成するイオンの挙動により支配されています。また我々の生命活動は、体内のイオンの微妙なバランスの上に成り立っており、さらに人間のみならず、それ以外の動物や植物をも含めた生態系の健全な維持も、環境中のイオンの微妙なバランスの上に成り立っています。      


財団趣旨

本財団法人は、このような視点に立ち、物質、生命、環境中のイオンの挙動を解明し、その機能を引き出し、それらを新しい物質の合成や、生命活動及び生態系の維持のための技術として生かす科学と技術の振興を計ることを通し、調和のとれた科学、技術を発展させ、ひいては人類の福祉に貢献することを目ざしています。このため具体的には、イオンの挙動に関する科学、技術の振興を助成すると共に、これに関心のある産、官、学との連携を計り、さらにこれに関連する先進国及び発展途上国の学術グループとの交流を計らんとするものであります。



財団設立経緯

 かつて日本社会の直面する様々な問題の解決のために、日本経済の振興のために、また国民の安全で快適な生活の増進のために、大学における研究に大きな期待が寄せられた時代がありました。大学の研究者は、その期待に応えて、次々に新しい提案を行いました。
 産業界の経営者の中には、競ってこれらの顕幽を支援するため、多額の寄付を行う機運がありました。
 大学の事務局には、これらの寄付を有効に研究者に届けるために、監督官庁との面倒な折衝を厭わず、新しい財団を設立するのに意欲的な人もいました。
 昭和60年代、芽生えつつあり、将来が期待された技術分野の一つにイオン工学がありました。真空中でイオンを高速で走らせ、様々な物質の表面に打ち込むと、これまで知られていない新規な性質を示す新しい材料が得られると期待されました。最初は、半導体の分野で目ぼしい研究成果を挙げましたが、建築材料や、化粧品の分野でも、革新的な材料が出現すると期待されました。
 そこで、当時京都大学工学部の事務部長を務めておられた故井尻成二氏が提案し、ピアス株式会社社長故阪本政弘氏と、竹中工務店社長竹中統一氏の賛同を得て、3億円の基金を得て、イオン工学の研究を助成するために1986年(昭和61年)3月24日財団法人イオン工学振興財団が設立され、初代理事長に京都大学名誉教授(工学部電気教室)故大谷康之氏が就任されました。
 当初は、電気工学教室の故高木俊宜教授が主導された真空中でのイオン打ち込み技術を中心に研究支援を行いましたが、後に支援対象を広くイオンの係る研究全般に広げました。
 その結果、支援した研究の中から、水溶液反応でナトリウムイオンをチタン金属表面に侵入させると、生体内で骨と自然に結合する材料が得られることを明らかにする研究成果が生まれました。この材料は後に骨と自然に結合する長期間緩まない人工股関節として実用化され、その特許料収入が、財団の運用資金を潤すことになりました。
 その後、第2代の理事長を故井尻成二氏が務め、新しい法人法の施行に伴い、当財団は、2014年4月1日より一般財団法人となり、それに伴い、小久保 正氏が第3代の代表理事を務めることになり、現在に至っております。
 当財団は、創設以来、研究助成・研究支援・シンポジウムの開催・著作権支援など1億2千万円の研究支援を行ってきております。


一般財団法人イオン工学振興財団

〒604-0857
京都市中京区烏丸通二条上ル蒔絵屋町267
烏丸二条ビル3階

TEL 075-223-5666
FAX 075-223-5667